奥尻島は「つまらない?」のか|70代がひとりで6泊7日いた全記録(費用・行程・宿ぜんぶ・奥尻島①)

北海道の島

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※2018年9月の体験です。料金・ダイヤ・営業状況は最新をご確認ください。

「奥尻島 つまらない」

——実は、この島を調べていると、こんな言葉が出てきます。

私も出発前に見ました。正直に言うと、少しだけ不安になりました。ひとりで、しかも70代で、何日も過ごせる島なのだろうかと。

結論から申し上げます。

私は奥尻島に6泊7日いて、最後には「ここに住んでもいいな」と本気で考えました😊

温泉のご主人に「島に移住して、この温泉を継がないかい」と冗談まじりにお声がけいただいたとき、心がふっと動いたのです。70を過ぎてから、そんなことを考えている自分がおかしくて、うれしくもありました😊

この記事は、その6泊7日の全記録です。行き方、泊まった宿、食べたもの、歩いた道、かかったお金。ぜんぶ書きます。

鍋釣岩の穴から朝日が昇る|奥尻島のシンボル、鍋の取っ手の形をした岩
鍋釣岩に朝日が重なった朝。9月18日、5時35分

「奥尻島はつまらない」と言われる理由と、7日いた者の答え

まず、正直なところを書きます。

奥尻島には、いわゆる大きな観光施設はありません。テーマパークもなければ、ずらりと並ぶお土産物屋さんもありません。バスは1日に数本。夜は真っ暗になります☺️

ですから、「有名なスポットを次々に回って、写真を撮って帰る」という旅をしたい方には、たしかに物足りないかもしれません。1泊2日で来て、主な見どころだけ見て帰ったなら、「思ったより何もなかった」と感じる方がいるのも、わかる気がします。

でも、私は6泊7日いて、一度も退屈しませんでした😊

理由は3つあります。

① 島の人が、驚くほど話しかけてくださる

バイクのエンジンがかからず30分格闘していたら、観光協会の方が心配して車で追いかけてきてくださいました。温泉に毎日通っていたら、ご主人と顔なじみになりました。これは、急いで回る旅では起きないことです。

旅の宿 大須田の玄関前で、宿のご夫婦と記念写真(顔はスタンプで隠しています)|奥尻島宮津
旅の宿 大須田のみなさんと。宿を移る朝に

② 同じ場所に、何度も行ける

私は復興の森を2回歩き、神威脇温泉には毎日通いました。同じ場所でも、天気が違えば、まったく違う顔をしています。「行くところがなくなる」のではなく、「もう一度行きたくなる」のです。

朝日の鍋釣岩を堤防から眺める後ろ姿|奥尻島
何度も見に行った鍋釣岩。6日目の朝も、やっぱり

③ ごはんが、本当にすごい

これは後で詳しく書きますが、ウニ、アワビ、お刺身、鍋。民宿の夕食で、くいだおれました😆

つまり——奥尻島は「見る島」ではなく、「過ごす島」なのだと思います。

民宿カサイの夕食|カレイの唐揚げ、アワビ、ウニ、刺身が並ぶ|奥尻島
民宿カサイの夕食。これで一人ぶんです

💡この記事を読んでほしい方

「1泊2日で効率よく回りたい」という方には、正直、ほかの島のほうが向いているかもしれません。でも「のんびりしたい」「人とお話ししたい」「おいしいものが食べたい」——そういう旅をお探しなら、奥尻島は最高の島です。

奥尻島ってどんな島?(基本のき)

奥尻島の青い海|岩場の先に広がる濃い青と、遠くの島影
島の海の色。9月でもこの青でした
場所北海道の南西部・日本海に浮かぶ島
大きさ周囲約84km(車で一周およそ2時間)
人口約2,300人
行き方函館空港から飛行機で30分/江差港からフェリー
シンボル鍋釣岩(なべつるいわ)
歴史1993年の北海道南西沖地震で大きな被害。そこから復興した島

私が訪れたのは2018年9月。地震から25年目の年でした。

【行き方】羽田から、その日のうちに奥尻へ

私は飛行機で入島しました。

往路羽田 7:15 → 函館 8:35 / 函館 11:15 → 奥尻 11:45
復路奥尻 12:15 → 函館 12:45 / 函館 16:40 → 東京 18:05

函館から奥尻までは、わずか30分です。朝に東京を出れば、お昼には島に着いてしまいます。

フェリー(江差港発)という手もありますが、70代の体には飛行機がありがたかったというのが正直な感想です。

📖 飛行機とフェリーの比べ方、島に着いてからの移動については、こちらに詳しく書きました

👉 奥尻島への行き方と島の回り方|フェリー・飛行機・そしてバイクとの死闘(奥尻島②)

※この記事には、エンジンのかからないバイクと30分格闘した話を書いています。よろしければ、笑ってやってください😅

🛵 島でのレンタカー・レンタバイクの予約先(電話番号つき)も、②の記事にまとめてあります。ご予約は各社へ直接どうぞ。

🎫 航空券・フェリーの予約はこちらから

・お近くの空港から函館までを比べる 👉 エアトリでお近くの空港から函館への料金を比べる

・奥尻へのフェリー(ハートランドフェリー)👉 ハートランドフェリー公式(江差〜奥尻の時刻表)

ハートランドフェリーの船|白と紫の船体が港に着いている|奥尻島
ハートランドフェリー。江差から、この船で渡ります

【全行程】70代ひとり、6泊7日でこう回りました

日行動泊
1日目
9/13
羽田→函館→奥尻。空港で観光協会の方と会う。バイクを借りて島デビュー(からのエンジン格闘)。午後は島の北の端、稲穂岬(賽の河原)へ。南西沖地震の慰霊碑に手を合わせる旅の宿 大須田
(宮津・東)
2日目
9/14
島一周ガイドツアー。津波館・時空翔・鍋釣岩・ワイナリー・球島山(山頂の標識は369.3m)旅の宿 大須田
3日目
9/15
6:30 朝日を見る→宮津弁天宮の階段を登る→復興の森→球島山。お昼はカフェfaro(2025年に閉店)民宿 清運丸
(青苗方面・南)
4日目
9/16
バスで西海岸へ。北追岬を散策→神威脇温泉。この日、16,385歩民宿 清運丸
5日目
9/17
復興の森を再訪(9:00〜12:00)。faroでオムライスとみたらしもちアイス民宿 清運丸
(青苗方面・南)
6日目
9/18
フットパス「奥尻の森」→町の食堂でラーメン→神威脇温泉。夜はウニ・アワビづくし、星がきれい民宿 カサイ
(神威脇の近く・西)
7日目
9/19
奥尻→函館→東京—

ご覧のとおり、私は同じところに何度も行っています。

復興の森は2回、神威脇温泉は数えきれないほど、カフェfaroも何度も。

これが70代の島旅です。予定を詰めない。気に入ったところに、また行く。これで6泊7日、まったく飽きませんでした。

球島山の山頂標識と記念写真(顔はスタンプで隠しています)|標識には369.3mとある|奥尻島
球島山の山頂。標識には369.3mとありました

【宿】島を移動しながら、民宿を替えて泊まりました

奥尻島は思ったより広く、島の東・西・南で、まるで別の島のような表情をしています。

そこで私は、エリアごとに宿を替えるという泊まり方をしました。

宿地区泊数
旅の宿 大須田宮津(東)2泊
民宿 清運丸青苗方面(南)3泊
民宿 カサイ神威脇の近く(西)最後の1泊

旅の宿 大須田は1泊2食付きで8,640円(2018年当時)。ご家族があたたかい宿でした。民宿 清運丸は港の近くで、島を歩く拠点にちょうどよい場所です(現在は素泊まりのみ)。

最後の夜に泊まった民宿カサイの夕食は、忘れられません。ウニ、アワビ、お刺身、お鍋。くいだおれました。

正直に申し上げます。あまりにすごくて、「大切な家族を連れてきたい」と思いました。恋人がいらっしゃる方なら、きっと連れてきたくなります。またいきたいな、と今でも思っています☺️

【費用】6泊7日で、17〜18万円ほどでした

いちばん気になるところだと思いますので、正直に書きます。

項目概算
航空券(羽田〜函館〜奥尻 往復)約80,000〜90,000円
宿泊(6泊・2食付と素泊まりの混在)約45,000〜50,000円
島内の移動(バイクレンタル・バス)約10,000円
食事(外食・カフェ・お土産)約15,000円
温泉・入館料など約5,000円
合計約17〜18万円

※2018年9月のものです。現在の料金は各社の公式サイトでご確認ください。

高いと思われるでしょうか。でも、函館〜奥尻の航空券がいちばん大きいのです。フェリーを使えば、ここはぐっと抑えられます。

そして、6泊7日でこの金額。1日あたり2万5千円ほどと考えると、ウニとアワビをいただいて温泉に毎日入っていることを思えば、私は高いとは感じませんでした。

【見どころ】70代の足で行けた場所

🪨 鍋釣岩(なべつるいわ)

島のシンボル。フェリーターミナルから徒歩10分で、誰でも行けます。鍋の取っ手(つる)に似ているのが名前の由来です。

1993年の北海道南西沖地震にも耐えた岩です。

そして——民宿の方が教えてくださったのですが、お正月に、この岩の真ん中から朝日が昇るときがあるのだそうです。滅多に見られないそうですが、そんなお話が聞けるのが島旅です。

⛩️ 宮津弁天宮

岩山の上に建つ、朱塗りのお社。島内最古の神社祭祀の場所とされています。

驚いたのは、この岩山に9世紀ごろのオホーツク文化の遺跡や、16〜17世紀のアイヌのチャシ(砦)跡があったこと。その「チャシ」が「茶津」となり、地名「宮津」の語源になったと伝わります。

階段は、それなりにあります。手すりにつかまりながら、ゆっくり登れば大丈夫でした。

♨️ 神威脇温泉

西海岸にある、茶褐色のにごり湯。大きな窓の向こうに、海の水平線が見えます。私は滞在中、毎日通いました。

神威脇温泉の内湯|茶褐色のにごり湯と、窓の外に広がる海|奥尻島
窓の向こうは海。歩き疲れた足に、これがよく効きました

🌲 復興の森

復興の森のブナ林|朝の光が差し込む木々|奥尻島
復興の森。25年で、ここまで育ちました

地震からの再生を伝える森。気に入って、2回歩きました。

📖 歩いた道と温泉のこと、そして「継がないかい」のお話は、こちらに

👉 奥尻島を歩く|鍋釣岩・宮津弁天宮・神威脇温泉、自衛隊基地への突撃訪問!?70代一人旅(奥尻島⑥)

🕯️ 奥尻島津波館・時空翔

慰霊碑「時空翔」と刻まれた石の銘板|奥尻島青苗
「時空翔(じくうしょう)」の銘板

この島を語るうえで、避けて通れない場所です。1993年7月12日22時17分、北海道南西沖地震。津波は、地震の3分後に到達しました。

私がここで何を思ったかは、別の記事に書きました。

👉 奥尻島津波館へ|1993年の地震から25年目の島を、70代が歩いた(奥尻島④)

【食事】ごちそうは、宿の食卓にあります

銀杏草(ぎんなんそう)のおみそ汁、カフェfaroのオムライスとみたらしもちアイス、町の食堂のラーメン。

奥尻島シリーズ 記事一覧

①この記事(総集編)
②奥尻島への行き方と島の回り方|フェリー・飛行機・そしてバイクとの死闘(奥尻島②)
③奥尻島の宿はどこがいい?|70代が泊まった民宿3軒とウニ・アワビのごちそう(奥尻島③)
④奥尻島津波館へ|1993年の地震から25年目の島を、70代が歩いた(奥尻島④)
⑤奥尻島のグルメとお店|元祖・塩ラーメンと島の食事処6軒(奥尻島⑤)
⑥奥尻島を歩く|鍋釣岩・宮津弁天宮・神威脇温泉、自衛隊基地への突撃訪問!?70代一人旅(奥尻島⑥)

おわりに——「何もない島」ではありませんでした

モッ立岩の由来を書いた青い案内板|奥尻島
モッ立岩の由来。島には、こういう看板があちこちに立っています
モッ立岩|岩場の海に立つ、人の頭のような形をした岩|奥尻島
そのモッ立岩。人の頭のように見えませんか
奥尻島の西海岸の岩|朝の海から突き出す黒い岩|9月19日の朝
最後の朝、宿の近くの海岸で。6時すぎ

奥尻島を出る朝、私は少しさみしくなりました😂

6泊7日。バイクと格闘し、階段を登り、森を2回歩き、温泉に毎日通い、くいだおれるほどのごちそうをいただき、島の方とたくさんお話をしました。

「つまらない」と検索していた出発前の自分に、教えてあげたいくらいです。

この島は、急ぐ人には何も見せてくれません。でも、のんびり過ごす人には、たくさんのものを見せてくれます。

70代のひとり旅でも、まったく問題ありませんでした。むしろ、時間に追われない今だからこそ、いちばん楽しめる島なのかもしれません。

もし迷っていらっしゃるなら——ぜひ、2泊ではなく、もう少し長くいらしてみてください☺️

📝 旅メモ(2018年9月・6泊7日)

この記事は、当時の私の旅メモと、思い出せるかぎりの記憶をたどって書いております。料金・ダイヤ・営業状況は当時のものです。おでかけの際は、各公式サイトで最新情報をご確認ください。

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