利尻山に登る|「本当に登りたいの?」から始まった12時間 70代一人旅(礼文島・利尻島⑧)

利尻島

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※この旅は、離島旅をはじめたばかりの60代後半のころのお話です。(いまは70代、まだまだ島を歩いています😊)

※2017年7月の体験です。登山道の状況やガイドの体制は変わりますので、最新は利尻富士町観光協会などでご確認ください。

利尻山の山頂から見た尖った岩峰と雲海
頂上からのながめ。雲の上の世界でした

先に言ってしまいます。利尻山に登る予定は、まったくありませんでした😳

利尻山は日本百名山のひとつ。標高1,721m。東京を出る前、職場のふたつ年上の男性から「20代のとき利尻山で遭難しかけた」という話を聞いていました。若い人でもそうなのか。私には関係のない山——そう思っていたのです☺️

それがどうして、当時の私が頂上に立つことになったのか。この記事は、その顛末の記録です。

きっかけは、宿のミーティングのひとこと

礼文島の北の端、スコトン岬近くの旅人宿「星観荘」に泊まっていたときのことです。

夜のミーティング(自由参加のお茶会のようなもの)で、50代か60代くらいの女性が、利尻山に登った話をはじめました。私が「高齢者だから登れませんよ」と言うと、その方はこともなげに、こう言ったのです。

「ガイドさんがいたら、登れるかもよ😊」

——えっ。登れるの😳?

礼文島から、ガイドさん探しの電話

その気になった私は(すぐ、その気になれるのも私の良いところ☺️)まだ礼文島にいるうちに、電話でガイドさんを探しはじめました。

ところが、本に載っているガイドさんは、みんな車で島内を案内する観光ガイドばかり。「利尻山に登るガイドさんはいませんか」と聞いてまわると、ある番号を教えてもらえました😊

かけてみると——なんと、私の予定とぴったり同じ日に、利尻山へ案内する予定のお客さんがいるとのこと。ご一緒させてもらえることになりました。

こうして私は、登る気ゼロだった百名山へ、渡ることになったのです😆

前日の「体力チェック」——本当に登りたいの?

登山の前日、ガイドさんが宿(夕陽館)まで来てくれました。30歳くらいの、若い男性です。夏は山のガイド、冬はスキーを教えているのだとか☺️

私を見て、日ごろ登山をしているか、運動をしているか、体力のチェックです。登山はしていない。特別に体を鍛えてもいない。それが判明したところで、ガイドさんは言いました。

「本当に、登りたいんですか?」

利尻山の厳しさを知らない私は、迷わず答えました。「登りたい😆!!」。

するとガイドさんは、こう言ったのです。「その気持ちが、大事!よし、行きましょう!」

持ち物の指定を受けました。カッパ上下、防寒着、食事2回分、水2リットル、携帯トイレ、ストック。夕陽館さんが作ってくれたおにぎりを携えて、いざ、出発です😙!!

霧に包まれた利尻山の登山道
朝の登山道は霧の中。ガイドさんとゆっくり歩きます

当日——朝3時半、お迎え

翌朝3時半、ガイドさんが車で迎えに来てくれました。登山口に4時到着。まだ暗いうちから、登山開始です。

私の記録では、2合目4時20分、4合目5時20分、5合目6時。登山道は、整備された道ではありません。大きな岩を越え、小さな石を踏み。空は曇り、雨は降らず。山の天気は不安定です。

利尻山4合目・野鳥の森の標識
4合目「野鳥の森」。合目をひとつずつ数えながら登ります
利尻山6合目・第一見晴台の標識
6合目・第一見晴台。まだまだ先は長いです

道ばたには、きれいな高山植物が咲いていました。でも、見ている時間はありません。登ることに、精いっぱいです。

利尻山の登山道に咲く黄色い高山植物
登山道で出会った黄色い花

8合目——「ここからが正念場」

利尻山8合目・長官山の標識と筆者
8合目・長官山にて。ここからが正念場(お顔はイラストで失礼します)

8合目に着いたとき、ガイドさんが言いました。

「ここからが正念場。もっとキツくなる。自信がなかったら、ここで待っていてください」

えー😂。頂上を目の前にして、ここでやめるのは悔しい。私は頂上を目指すことにしました。

確かに、厳しかった。でも——。

頂上、11時20分。そこは天国でした

利尻山の稜線と雲海
稜線のむこうは雲の海でした
利尻山の頂上で両手をあげる筆者
登頂!思わずばんざーい☀️
利尻山の山頂から見た岩峰と雲海
雲の上の世界、もう一枚

頂上に着いたそのとき、360度、雲ひとつない晴天になったのです。

そして足もとには、高山植物の花が満開でした。ボタンキンバイ(利尻島の固有種の黄色い花)、エゾツツジの赤、チシマフウロの青紫、エゾヤマゼンゴの白。

利尻山頂上付近のピンクの高山植物の群落
頂上のお花畑。「天国みたい」と思った景色です
赤い火山礫に咲く利尻山の白い高山植物
火山の赤い大地に、白い花

天国みたいでした。ここまで7時間、歩いてきたご褒美です。

お昼を食べて、記念写真を撮って、頂上にいたのは30分ほど。暗くなる前に下りなければなりませんから。

利尻山の山頂標識
たしかに登りました。山頂の標識

下りも長い——下山は夕方4時すぎ

下山したのは、夕方の4時か4時半。朝4時に歩きはじめて、合計12時間の登山でした🤒

こんな高齢者をガイドしてくれたガイドさん。仲間に入れてくれた2組のご夫婦。ありがとうございました☺️

利尻山、1,721メートル。私、よく登ったと思います😆

なぜ登れたのか、考えてみました

特別な訓練はしていません。思い当たるのは、毎日、職場まで歩いていること。仕事も立ったり歩いたりが多いこと。

特別なことではなく、毎日の「歩く暮らし」が、私の登山の体力を作ってくれていたのかもしれません☺️

70代で利尻山、正直どうなの?(まとめ)

ガイドさんは必須だと思います。前日の体力チェックも、8合目の声かけも、プロがそばにいてくれたから登れました。当時のガイド料は10,800円。この内容で、良心的だと思います。

いま調べてみると、利尻島には今も山岳ガイドのサービスがあり、公式サイトには「往復の平均所要時間は12時間。安全と、まる一日楽しむことを第一に、通常のコースタイムよりスローペースで」と書かれていました。私が12時間かかったのは、遅かったからではなかったのですね😊 料金は人数や年によって変わりますので、最新は各ガイドサービスに直接お問い合わせください。

そして、行きたい気持ちがあるなら、あきらめる前に電話してみること。「その気持ちが大事」——ガイドさんの言葉は、山だけの話ではない気がしています☺️

それから、「いきなり利尻山はちょっと……」という方には、ガイドさんと歩く花めぐりハイキングもあります。歩くのは1〜2kmほど、お散歩感覚で参加できるそうですよ。歩くだけでも、利尻の花は天国みたいですから☺️

🌺 利尻島の花めぐりハイキング(アソビュー!で予約)

ガイドさんと歩く1〜2kmのお散歩コース(5,000円〜・フェリー到着に合わせて出発)

おまけ——翌日は、シーカヤックと平和ボケのお魚さん

登山の翌日、ガイドさんの予定が空いているというので、シーカヤックで海へ出て、魚釣りをしました(神居海岸パーク・半日8,600円)。

シーカヤックのガイドさんと港で記念撮影
シーカヤックのガイドさんと。お顔はスタンプで失礼します
利尻島の海でシーカヤックから釣りをする筆者
翌日はシーカヤックで釣り。釣れました!

偽物の餌だったのに、糸を入れたとたんに釣れました。私にすぐ釣られるお魚さん、平和ボケしてました😂

1,721mの頂上と、のんびりの海。利尻島は、ふたつの顔を持つ島です。

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