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※2017年ゴールデンウィークの体験です。施設や料金は当時のもので、現在は変わっていることがあります。最新は公式でご確認ください。
※この旅は、離島旅をはじめたばかりの60代後半のころのお話です。(いまは70代、まだまだ島を歩いています😊)
はじめに——上陸したら、そこは「何もかもがある島」だった
3回の敗退を経て、4回目でやっと渡れた青ヶ島。断崖に囲まれた三宝港に降り立った私を、宿の方が車で迎えに来てくださいました。
よく「青ヶ島には何もない」と言われます。たしかにコンビニも、信号も、レストランもありません。でも3日間過ごして分かりました。この島には、地球の熱で蒸しあがるジャガイモと、300段の玉石の階段と、手が届きそうな星空があるのです。
宿は1泊3食付き——昼ごはんまで付いてくる理由
お世話になった宿は、電話で「え、一人? ならいいよ」と拾ってくださったマツミ荘。なんと1泊3食付きです。
3食付きには、ちゃんと理由があります。島に、昼ごはんを食べられるお店がほとんどないのです。だから宿が昼まで持たせてくれる。合理的で、ありがたい仕組みでした。
いちばん驚いたのは、着いた日のことです。船は昼に到着し、宿のご主人が港まで迎えに来てくださいました。そして宿に着くと——お昼ごはんが、もう用意されていたのです。確か、秋刀魚の干物とご飯でした。
あとから知りましたが、船の欠航が多いこの島で、食べ物は宝石にも等しい貴重品。着いたばかりの客に昼を出してくださる民宿は、そうそうありません。ご主人おひとりで切り盛りする宿の、あのお昼を、いま思い返しても「貴重なものをいただいた」と思うのです。
※お世話になったマツミ荘は、青ヶ島村の公式サイトによると現在は休業中とのことです(2026年時点)。あのお昼ごはんの御恩とともに、記して感謝します。
尾山展望台——「神々のやどる島」を見わたす


着いた日の午後は、島のいちばん高いあたりにある尾山展望台へ。眼下に広がるのは、世界的にもめずらしい二重カルデラ。外輪山の内側に、もうひとつ小さな火山(丸山)がすっぽり入っている地形です。
青ヶ島は「神々のやどる島」とも呼ばれるそうで、東台所神社にもお参りしました。正直に言うと、立派なお社ではありません。ひとりで行くと、少し心寂しくなるようなたたずまい。でも、断崖の島で生きてきた人たちの祈りが、確かにそこにありました。東京都さん、青ヶ島にもう少し予算を——と思ったのは、ここだけの話です😂


大里神社——玉石の階段、その数およそ300段


翌日は島の総鎮守・大里神社へ。ここの参道が、すごい。丸い玉石を積み上げた階段が、およそ300段も続くのです。
この玉石、もとは海岸の石。昔の島の人たちが浜から一つひとつ運び上げたと聞くと、一段一段が重く感じられます。

📝 70代の足メモ:玉石は丸いので、雨のあとはよくすべります。手すりはありません。私は一歩ずつ、石の安定した所を選びながら登りました。無理は禁物、靴はしっかりしたものを。
地熱釜——地球の火で蒸すジャガイモ

青ヶ島は今も地熱の生きている火山島。島には「ひんぎゃ」と呼ばれる蒸気の吹き出し口があり、その熱を利用した地熱釜(じねつがま)が誰でも使えるようになっています。
食材は、島でただ一軒の「十一屋酒店」で調達しました。ジャガイモ、にんじん、さつま揚げ。釜に入れて、待つことしばし。地球の火で蒸されたジャガイモは、ほくほくで、ほんのり塩気があって——これがもう、絶品なのです🥰

ただし、ご注意を。船が欠航すると、商店の野菜も届かなくなります。「どうしても地熱釜をやりたい」という方は、八丈島で食材を買ってから渡るのが安心です。船が止まれば食料が消える——それが青ヶ島なのです。
釜に食材を入れている間に丸山遊歩道を歩く、というのが島の過ごし方。歩き終わるころに、ちょうど蒸しあがっています。
※地熱釜は現在も利用できます(2026年時点・青ヶ島村公式サイトより)。卵もじゃがいもも、くさやまで「何でもふかせる天然の釜」だそうです☺️
夜——満天の星と、居酒屋「杉の沢」
夜は、宿から歩いて行ける神子の浦(みこのうら)で星を見ました。星の名所としては尾山展望公園が有名ですが、車のない私が夜に山の上まで行けるわけがありません😂 でも、大丈夫。街灯りのない島では、歩いて行ける場所の星空でも、それはもう、降ってくるようでした。
そして島に数少ない飲み屋さん「杉の沢」へ。お店の方は、船の仕事と建築会社の仕事をかけもちしているそうです。印象に残ったのはこの話——
「今年の1月と2月は、船が月に7日しか来なかったよ」
月に7日。それはつまり、生鮮品も、荷物も、人も、月に7日分しか届かないということです。私が「渡れた!」と喜んだあの船は、島の人にとっては命綱なのだと、お酒を飲みながら教わりました。
夕食は宿で済ませていたので、この夜はお酒とおつまみ。そして、なぜかカラオケまで歌ってしまいました。絶海の孤島の夜は、思いのほか、にぎやかでした☺️
おまけ——住所は「無番地」
ところで青ヶ島の住所、ご存じですか。島全体が「東京都青ヶ島村無番地」。役場も小学校も、みんな同じ住所です。「青ヶ島村 +お名前」で郵便物が届くのだとか。なんとも、ゆったりした島なのです。

つづく
3日目——車両通行止めの坂を直登したこと、ふれあいサウナのこと、島の人に聞いた「土地を売らない」話——は、次の記事に続きます。
📚 八丈島・青ヶ島ひとり旅シリーズ(記事一覧)
- 🗾 総集編・八丈島と青ヶ島まとめ(島の情報と行き方)
- ⛴ 宿が先か、船が先か(青ヶ島への行き方と予約)
- ♨️ 地熱釜と満天の星(1泊3食付きの宿と玉石段300段)(今読んでいる記事)
- 🚶 車があっても一度は歩く(サウナと「土地を売らない」話)
- 🏝 八丈小島に上陸(集団離島の島へ)
- ⛰ ⑤八丈富士に70代で登る(伊豆諸島最高峰)
- ♨️ 八丈島の温泉を車なしでめぐる(歩ける宿と絶景みはらしの湯)
📝 この旅のメモ(予約はこちらから)
🏝 青ヶ島の宿は数軒のみで、予約は電話が基本です。連絡先は青ヶ島村公式サイトの宿一覧からどうぞ。食堂がない島なので、3食付きの宿がほとんどです。
✈️ 航空券:エアトリで羽田〜八丈島の料金を比べる![]()
🏨 前泊の八丈島の宿:じゃらんで八丈島の宿を見てみる![]()
🏨 前泊の八丈島の宿:楽天トラベルで八丈島の宿を見てみる![]()
🗾 これまでに訪れた島の一覧はこちら:日本の離島 一覧|70代の女一人旅で訪れた島の記録
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